百人一首

2004年12月15日
いつもの便で東京へ。
朝一番は井の頭線。
偶然にも明星さんの自宅の近くだ。
ひょっとしたら会えるかも、の期待はモロかった。

アポを変更し、午後からは柳橋の取引先を訪問。
明大前経由で新宿へ出て、土産を買い、総武線で浅草橋へ。
目指す相手は急な変更にも快く応じてくれたので助かった。
懐の深い、ありがたい取引先だ。

事もあろうに私はそこの社長さんを親分とすることに決めた。
つまり、来春からお世話になる京都が本社の会社の支社なのだ。
現在の仕事の打ち合わせの後、中国法人のことについて長時間討議した。
やる気が益々出てきた。

なんとしても、私が上海で一緒に働きたいと思っている女性の力添えが欲しい。
一人ぼっちに近い環境で私が全力を出し切るには、気の合った人とのコンビネーションが必要だ。
特に私は寂しがり屋で、絶えず誰かに甘えて生きてきた。
なおさら、私の視線の先が彼女になる。

その彼女と銀座4丁目交差点で待ち合わせ。
時間通りに彼女は来た。
今夜の最終便で帰阪するため、私には時間がなく、早速メシを食べに行った。
最初行こうと思った台湾料理店は満席のためあきらめ、数寄屋橋の寿司屋に行った。

ちょっとしたクリスマスプレゼントを用意したが、彼女は結構喜んでくれたようだ。
喜びの反応があると、お世辞でも嬉しくなる。
無難な色かビビッドな色かで少しは迷ったが、買った店の女性も私の選択に賛同してくれたので、自信を持って後者を渡した。
本当に気に入ってくれたかどうかはわからない。

先週からずっと引っ掛かっていた歌がある。
百人一首の一つだ。
どうしても思い出せない。
どんな歌だったか・・・。

私が健忘症に悩んでいる姿を知ってか知らないでか、彼女がいとも簡単に言ってのけた。
ちはやぶる・・・これが出なかった・・・。
悔しい。
在原業平が古今集で詠んだ一首だ。
枕詞が思い出せなかったのだ。

「ちはやぶる 神代もきかず 龍田川 からくれないに 水くくるとは」
京都の嵯峨野を歩いた時、紅葉を詠んだ秋の歌が書かれてあったのをチラッと見た。
その代表格の六歌仙の歌を、今業平と言われた私が忘れるなんて・・・(?)
百首全てを覚えていたあの記憶はどこへ行ってしまったのだ。

彼女との百人一首対決は後日に再び刃を交えることにし、寿司に専念した。
回っていない寿司は久しぶりだ。
行った店はたいしたところではないが、知る人ぞ知る店で、よく繁盛していた。
特に、年配のおじさんが見るからに銀座のお姉さんといえる若い女性と同伴のように食事をしているペアの多いのに驚いた。
こっちはそうは見えないだろう。
叔父さんと姪?
ほっといてくれ!

時間はあっという間に過ぎ、品川まで同じ電車に乗って帰る途中、ついに「告白」らしきものをした。
ただ、はっきりとは言えなかった。
断わられると私の被害が甚大だし、こちら側の受け入れの準備もほとんど整っていないうちから決めるべきことでもないのかも・・・。
まだまだ時間がある。

彼女はかなり当惑していた。
詳しくは書けないが、年齢が年齢だけに、今、上海へ行くことが彼女にとって難しい局面を生むかもしれない。
それでも行って欲しいという私のエゴはかなりの厚顔無恥そのものであると思うし、思いやりなどどこにも存在しないといわれても仕方がない。

年内に東京へ来ることは、仕事ではもうないだろう。
でも、個人的にせよ、もう一度は来たい。
この気持ちはあくまでも「仕事大切」で出ているもの。
それでないと皆が困る。
当の彼女はもっと困る。
私も、自分の心がつかめない、で困る。

コメント

最新の日記 一覧

<<  2025年5月  >>
27282930123
45678910
11121314151617
18192021222324
25262728293031

お気に入り日記の更新

テーマ別日記一覧

この日記について

日記内を検索