東京出張 第2日 「雨の銀座はガラガラ」

台風が来ているため、関東地方は一日雨だった。

7時起床、朝シャワー、朝食など一通りの朝のメニューをこなし、クリーニングを頼んで9時15分に出かけた。
昨日同様、朝から展示会場に詰めて、来客のアテンド。
今日は同じ社内の他の部署からの応援がなく、英語を話せるものがいない。
で、外人さんお引き受け係を拝命することとなった。
助けてくれ。
私の英語は凄まじいゾ。

途中、中国から女性社長が息子を連れてやってきた。
ちょっと歳をとってはいるが、メチャ美人。
ウチの連中があれこれ積極的に応対するわけがわかった。
本当に素敵な女性だ。
何よりも品がある。
そして賢い。
私もかなり魅入られてしまったようだ。
いろいろと協力することを約束してしまった。
通訳と彼女の中国語会話がいくらか判ることに驚いた。
長い間、初級だった私の中国語会話だが、継続は力なりを少しは証明してくれた。

アシスタントのKさんから、銀座のある店のママから電話があったとの連絡メールが入った。
禁酒したからずっとご無沙汰している。
ツケを払わなけりゃいかんと思い、今夜銀座へ出かけることにした。
連れは、展示会に出展している顧客のY社長とK氏。

雨の降りしきる中、新橋で飯を食い、徒歩で銀座5丁目へ。
ただでさえ客足が少なくなった銀座で、この雨は致命的。
通りには客引きばかりで、暇な店はホステスさんが1階で通る人に声を掛けていた。
こんな日にこの辺をぶらつく人で目的がない人はいないだろうに。

雨でやっぱり客のいなかった店はこれであぶれることなく、ほっとしたママの表情。
ウーロン茶じゃ声が出ない。
とか何とかいいながら、3人組の中で、私が10曲、Y社長が5曲、K氏が1曲。
結局、ワンマンショーになってしまった。

11時を過ぎ、そろそろお開き、という頃に友人から電話。
先日、私を湯島に呼び出したK氏だ。
「何処にいる？」
うゎーっ、ヤバそう。
「銀座で・・・」
「お前、酒止めたんちゃうん？」
「アホ、ウーロン茶で歌うとてんねん」
「渋谷へ来いよ」

顧客のお二人をタクシー乗り場で見送って、地下鉄で渋谷へ向かった。
この時間からだと帰りは・・・、当然タクシータイムである。
何度か行った店だから迷わなかったが、なぜかこの友人が銀座以外で行く店はみな繁盛している。
殆どが若いねえちゃんのいる店で、品が悪くないところが多く、若い客も多いところから見ると値もあまり高くないのだろう。

行くと彼を介して時々出会う同年輩のオッサンを伴って快活に笑うK氏がいた。
順番に席を変わってゆく女の子の中で、なぜか二人の女性が動かなかった。
どうやら二人のお目当て女性らしい。
私はというとウーロン茶でひたすら会話のお相手。
カラオケは銀座で歌ってきているので不要。
隣に座った女性も手持ち無沙汰。
しまいには一人で勝手に歌い出した。
誰も聞いていない(はず)。

日付変更線がたっぷりと越えた午前2時にお開きとなり、私はタクシーでホテルの部屋に戻った。
茶腹によるトイレの回数は覚えていない。
台風が来ている。
明日は帰れないかもしれない。
フロントに部屋の延長の可否を尋ねるとOKとのこと。
数少ない上級タイプの部屋にアップグレードしてもらっているだけに、同室延長は恐縮なのだがさすがに台風でキャンセルがあったらしい。
明朝の決定とした。