気分一新

徹夜明けの眠さを風邪が誤魔化してくれた。

朝シャワーは風邪引きには辛いものがあるが、まさか臭い頭で初日を明けられない。
浴室一杯に湯気を溜めて、暖かくした中で洗髪し、ボディを洗い、シャワーで身体を温めてそのままバスタオルでよく拭き、肌着にワイシャツまで着て浴室を出た。
重いカバンを持って難波〜西大寺〜大久保へと急いだ。

会議は10時からだが、15分前に着いて「早すぎる」と叱られた。
いまどき珍しいワンマンな上司だ。
それだけに着いて行きがいがあるというものだ。
既に私の入社辞令はその会社のイントラで流れており、私は初めて自分の処遇を聞かされた。
権限をくれながらも、さほど責任は重くないようにしてくれている。
動きやすくて有難い。
勿論、しっかりと管理職で、海外担当となる。
入社即海外法人への出向なんてその会社では第1号だ。
急いで海外駐在規程を作ったらしい。
対象者は私だ。

自分が欲しいPCのリクエストを出し、名刺をもらったが、本社には席がない。
根無し草社員第1号の誕生である。
人事課長が入社手続きを説明し、書類に記入、署名押印して新入社員が出来上がりだ。
会社を替わったのはこれで4度目だが、独立を除けば2度目となる。
初日の緊張感はやはりかなりのプレッシャーを生む。
しかし、風邪で徹夜明けの今回はそれが快感である。
この会社で私は定年を迎えるようにがんばるつもりだ。
用意してくれた待遇に応えるためにも。