起床は6時30分。

今日から五一休暇。
私は日本に帰らずに国内旅行をすることにした。
行き先は青島。
一度は行っておきたかったところだ。
JJさんが友人から生牡蠣を食べさせてあげるといわれて行く気になっていたので、利害が一致し、同行することにした。

虹橋空港10時05分発のCA機は満席。嫌だったが3人掛けの真ん中席に座った。
約1時間あまりで青島空港へ。
比較的新しいターミナルビルは香港と同じような作り方で、さすがに観光シーズンの初日、人でごった返していた。
早々にタクシーに乗り、目的のホテルへ。

高速道路を通り、約40分、80元足らずで到着したのは「青島海景花園大酒店」。
海辺にあるガーデン形式のホテルで人気があるらしい。
会社のLT部長のお奨めホテルだ。
なるほどいい感じだったが、通された部屋が南向きではあるが壁しか見えない部屋だったので変更するように交渉。
予約してくれたLT部長は済南市に帰省していたが、彼も電話で動員しての交渉で、何とか海が見える部屋にしてもらった。
だが、この季節、満室を武器に敵も手ごわく、結局15%アップとなった。
ま、壁を見るよりはいいだろう。
この交渉で、ごねる日本人客という印象を与えてしまった。

主張する事はきっちり主張するし、きちんとしてくれたらちゃんと礼を言うのが私流。
ちょっとくらい嫌われても構わない。
今、長くしっかりと付き合っているサービス業の各社とは一時期そういうギクシャクも起こしている。
「雨降って地固まる」でいいじゃないか。

しかし、不届きなのはJJさん。
交渉に際して、中国語の話せない私が必死で中国語と英語で話しているのに、中国語が話せるJJさんは一切他人事で済まそうとしていた。
横で私の汗を冷ややかに見ていたに違いない。
確かにこれは予約した私の問題ではあるが・・・。
かなりむかついた。

そういえば、どこかの工場長は、以前、私と一緒に歩いていて、私がトラブルに巻き込まれてケンカ状態になった時、彼はすっと逃げた。
最初からあてなどしてはいなかったが、あまりにも薄情だと思った。
全てが終わってからノコノコ現われ、巻き込まれたくなかったとはっきり言った。
帰化して日本国籍を取得しているとはいえ、やはり中国人、争いごとには身を隠す事が当り前になっているのだろう。
習性とはいえ、これは日本人とは程遠いなと思った。
人によるかもしれないが、嫌な印象を持ってしまったことを覚えている。
今日もそれを思い出した。

しかし、部屋に荷物を置き、12時に屋外に出たとたん、「うゎーっ」と声を出した。
あまりにも景色がすばらしい。
予想していたよりもすてきな海岸なのだ。
なぎで鏡のように平らできれいな海、波に削られてなだらかになった岩場にはいろいろな人がうごめき、貝や小蟹を取っていた。
しかし、想像していたよりも人出は少なかった。

しばらくJJさんと相互に写真を撮りながら海岸を西に進むと、変身写真の撮影現場に遭遇した。
カップルが新郎新婦の衣装でプロのカメラマンに写してもらうもので、今、中国ではかなり盛んである。
何よりもおかしいのは、新婦の服装で、大抵ドレスの下はジーンズだ。
また、その撮影を羨ましそうに遠巻きで見る多くの人の顔もおかしかった。

さらに西に歩き、市街地に入り、LT部長から薦められた海鮮料理レストラン「海夢園」があったので、今夜の夕食の予約をする。
こんな時、JJさんは当然中国語で積極的に話す。
私は「さっきのあれはなんなの?」と言いたい気持ちを抑えていた。

すぐ近くにジャスコが有り、ちょっと寄ってみたら、売り場が充実しており、日本と同じで結構いい。
上海にはこういうスーパーがない。
青島が羨ましくなった。
弁当とビールと菓子と果物を買ってどこかで食べることにし、2階建てバスに乗って向かった。

バスは市役所前に到着し、そこから歩いて五四広場に行った。
人目を憚らずに弁当とビールを取り出し、まずは乾杯。
残り桜がきれいで、思わずカメラを向けていた。
その後、遊覧船に乗ったが、夕暮れ時にさしかかり、新旧織り交ぜた街並みはシルエット調ですばらしかったが、かなり肌寒くなっていた。

予約していた海鮮レストランに行き、個室に入った。
二人だけで個室は要らないと思ったが、周囲がうるさかったので結果的にはよかった。
中国の人は話し声が大きく、どうしても騒がしくなる。
日本のように粛々と食べるのとは違い、うるさいほうがいいのかと思ってしまう。
ガサツなのは食事だけではない。
地下鉄内でも、道路でも、飛行機内でもだ。
日本人としてはしゃべりっぱなしでお調子のりで嫌がられる私でも、中国では物静かな紳士で通る。

推薦してくれたLT部長には悪いが、食事は大して美味くなかった。
21時過ぎに店を離れ、ジャスコで当座の飲み水やビール、簡単な食料まで買い込んでホテルへ戻ったのは22時30分。
折角交渉し、割増料金を払ってまでして得た海の景色は何の意味もなかった。
JJさんは早々に部屋に引き上げ、そのままバタンキューだと思う。
私は一人、ビールを片手にホテル内の庭園を歩き、ほどなく部屋に帰って寝た。

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