8月15日、朝のニュースで、小泉首相が靖国神社へ参拝したとのこと。
中国にいるとこういうニュースに敏感になるのが普通だが、今回はそうではない。
小泉さんが就任1年目だと問題も大きかったが、6年目で毎年参拝しており、しかも9月で任期が切れるのだから、中国もあまり声を大きくしていない。
むしろ、韓国のほうが相変わらず、ここぞとばかりに批判しているぐらいだ。
上海は政治から離れている商業都市という側面もあるが、大方の人が政治よりも経済に関心を持っているため、ここ、上海では緊迫した話題という実感はない。
むしろ、日本との関係が損なわれることを嫌う。
昨年の反日デモの手痛い失敗に懲りているのだろう。
今回のこの件での反日デモが上海で発生するとは思えない。

この靖国神社参拝についてはいろいろと考える。
要するに、靖国神社自体のこと、戦死者慰霊設備のこと、戦犯合祀のこと、歴史認識のこと、そして、首相が参拝するということ。
これらをきちんと区別しないといけない。
私は日本人だ。
当然、日本という国を、民族を、国土を愛している。

宗教法人である靖国神社が国家の特別な保護を受けていること自体おかしい。
政教分離は民主国日本では必須だ。
戦死者を慰霊する事は大切だと思う。
前の戦争を美化するのではなく、その愚かさを説くためにも必要だが、それは靖国神社という特定の宗教法人で行うべきではない。
民間人を含め、これまでの戦争でなくなった人全てを慰霊する施設を国が新たに作るべきだろう。

戦犯の合祀を批判する人が多いが、戦犯といっても確かに戦争の悲劇を招く開戦を画策した勢力は糾弾されるべきだったが、それに追随した人、無理やりに引きずられた人、抵抗した人などもまとめて戦犯に処せられた。
合祀する対象を考えると、
外されるのは戦犯全てなのか。
1級戦犯だけなのか。
2級、3級戦犯ならよいのか。
戦犯全てを合祀から外すというのなら、「何もいえなかった」という免罪符を持って隣組で積極的に動いたその辺のおっさん、おばはんは戦犯ではないのか。
嫌だ、嫌だと言いながらも、戦地に赴いた兵士や工場で勤労奉仕した国民は戦犯ではないのか。
だが、誰も彼らを批判できないと思う。
ここで戦犯の定義を云々するつもりはない。
戦犯を区別し、分離する必要はあるが、死者を慰霊すること自体は構わないのではないか。

極東裁判自体を問題視する人も多い。
戦犯を裁いたのが連合国軍という名の米軍の一方的な裁判で、およそ公平な裁判ではなかったことは今も冤罪からの救済に奔走している人がおられるということでもわかる。
短期間に多くの人を裁き、処刑した。
だから十分な検証もできなかったというが、それで殺された人は浮かばれないだろう。

歴史認識については謙虚に考えるべきだ。
確かに侵略戦争を起こした日本は大罪だ。
だから、日本は非を悔い改め、賠償をしてきた。
韓国や周辺国はその程度を問題視し、外交の駆け引きの材料に使っている。
しかし、このような賠償には十分というものは存在しないが、これまで日本はかなり頑張ってきたと思う。
あの時期にはどの国もそういう流れにのっていたのではないか。
それよりむしろ、いつまで国連の安全保障理事会は戦勝5国に常任理事国という特権を与えたままにしておくのか。
そのほうが問題は大きいと思う。

最後に、小泉首相の参拝そのものについて。
一国の宰相がその信念に基づいて参拝するのを他国が何の権利を持って過ちだと言えるのか。
内政干渉そのものではないか。
ODAと円借款を併せた各国への援助額をその国の国民は知らされていない。
例えば、中国の国民は中国が日本から金をもらっていることも知らないし、日本との関わりがなくなれば経済が破綻することも理解できない。
日本はもっと強い姿勢でものを言わなければならないのではないか。
是は是、非は非をはっきりしなければならない。
汚点が少ない小泉さんだからできることだということを彼はもっと声高に言ってほしい。

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