大連〜天津

2006年8月23日
起床は6時30分。

最上階の日本食レストランで朝食。
頭の禿た、私ぐらいの年齢のおっさんが若い(多分10代?)可愛い女の子と食べに来る。
さらにもう一組、そういう感じのカップル。
似ているわけでもなく、どう見ても親子じゃない。
女性は甲斐甲斐しくおっさんの世話をしている。
私の連れのL部長は急にぶつぶつ言い出した。
妬くな、妬くな。

昨日夕食をご馳走になった顧客のオフィスへ行く。
そこは我々の製品を取り扱ってくれる代理店で、昨夜のS総経理と営業担当のL係長が我々を開発区にあるユーザーの工場へ案内してくれるのだ。
小さなタクシーに4人の乗客で、後部席3人掛けはつらい。
約45分、無理な姿勢を続けたので首がますます痛くなった。

大手メーカーのテレビ製造部門が進出しており、ブラウン管で始めた製造がいまや液晶のみとなった。
中国市場ではまだブラウン管が主流だが、日本への再輸出品は付加価値の高い液晶しかできなくなっている。
私の会社の製品は液晶テレビに必要な部品なので、我々には追い風だ。
どのメーカーも生産に占める中国工場の割合を減らしている。
人件費が高騰し、税制や外貨の扱いが難しい中国よりも、ハンドリングのし易い国へと重心が移動しているようだ。
しかし、それは膨張している分が他国へ割り振られているだけで、中国での生産量自体はやはり増加しているし、東アジアではやはり中国生産が主流であることには変わりない。

打合せ後、L係長はそのまま居残り、S総経理と我が社のL部長の3名で市内に戻ってきた。
昼食は延安路にある日本ラーメン「味の蔵」で久しぶりに「日本のラーメン」を食べた。
上海では味わえない味だ。
上海で最も多い、あのひどい味の「味千ラーメン」がここにも一時出店していたが、大連の人には受け入れられず、撤退したという。
上海が味オンチの土地であるという証明の一つがここにあった。
私はますます大連が好きになった。

だが、嬉しいことばかりではない。
ラーメンにニンニクを入れようとしたら金具の一部がはずれ、私のラーメン鉢の中にボチャンとはまって、かなりラーメンの汁がかかった。
黄色いBDシャツは汚れがあまり目立たないが、綿パンは悲惨だった。
このままでは穿いて行けないので、後ほどオフィス近くの百貨店で買うことにし、それまでは旅の恥をかき捨てた。

そこから歩く景色は私の目を点にしてゆく。
元、満鉄の鉄道病院を通り抜け、悲鳴をあげる私の興奮の頂点はやはり中山広場。
元の大和ホテルをはじめ、広場を囲む建物はすべて旧日本統治下のもので、歴史の1ページを見る思いだった。
建築的にも価値のある建物を間近に見て、その細部までゆっくり見る時間が欲しいと思った。
次回は市内見学の日を作るつもりだ。

かつて、ここに住んでいたことのあるL部長と現役住民のS総経理が私を案内するのだが、あちらこちらをキョロキョロ見てカメラを振る私を置き去りにして、彼らはどんどん先に進むから、走っては止まり、走っては止まりでかなり疲れた。
私には新鮮な景色も彼らにとっては見飽きたものなのかもしれない。

一通りさっと見て、繁華街で綿パンを買い、コーヒーも飲んで午後2時、オフィスに再度お邪魔した。
時間までPC処理をし、タクシーで大連空港へ。
天津までの南方航空機に乗るためだ。
この航空会社は、昨日の東方航空とは違い、サービスがかなり良い。
明日の中国国際航空と北方航空も併せたこれら4社は元の中国民航が分割してできた会社だが、なぜかサービスも事故率も大きく違う。
飛行機は少し早めに出発し、快調に飛行して予定を10分ほど早めに天津に着いた。
ほどなく、大連と同じ代理店の天津法人のN総経理が社有車で迎えに来てくれた。

まずホテルにチェックイン。
マリオット系のルネッサンス、5ツ星だ。
部屋が開いていないから予約された部屋とグレードが変わります、というフロントのコメントで上ランクを期待したが、果たして、ドアを開けたらスイートルームだった。
荷物を置き、ロビーで待っていたN総経理が案内してくれたのは、車で10分ほど走った、洋館を改装した日本料理屋。
味は上海の平均よりも上だし、女将が神戸美人。
美味くない朝飯、美味かったがラーメンの昼で空腹だったのか、よく食べ、しっかりご馳走になってしまった。

その後、一旦ホテルまで戻ったが、「もうちょっと」ということになり、少し街路を歩いて安心して飲めそうな店に入った。
1階が中国銀行で、3階はチップ制のKTV店という、へんな組合せのビルの2階にあるノーチップ制のクラブ。
女性のコスチュームはチャイナドレスで、いやらしい感じはなかった。
約1時間半、楽しい時間を過ごして、ホテルまでタクシーで送ってもらった。
大連のタクシーはきれいな車が多かったが、天津は以前のスターレットのような小さな車で、クーラーもなく、しかも汚い。
料金は同じで、初乗り8元だ。

部屋に戻り、リビングルームでくつろいでいるうちにソファーで寝てしまい、目覚めたら4時。
きっちり風邪を引いてしまった。

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